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「反日イデオロギー」に依存する中国の未来を憂う
 昨日の日記に「西隣の大国」と記した中国が、さびしいことに、
さらにカオスの道をつきすすんでいる。

 従来「漢民族」もしくは「漢民族思想」が中国の統治の礎(いし
ずえ)もしくは求心力として、採り上げられてきた。

 しかし、漢民族自体が多様な民族の集合体であり、漢民族として
一括りに論じることがむずかしいことなどから、最近はメディアで
の「漢民族」という用語の使用が減ってきているようだ。

 このような方向性は、「漢民族」の範疇に入らない「周辺少数民
族」をいたずらに刺激しないようにしよう、という中国政府の思惑
が絡んでいるのかもしれない。

 もちろん、「周辺少数民族」でなにか問題が起これば容赦なく取
り締まるという中国政府のスタンスは、従来どおり変わりがないよ
うに見受けられる。

 漢民族思想がやや希薄になり、それに代わって中国の国家統治の
求心力となるものを追い求めて、結局「反日イデオロギー」よりほ
かになく、「反日イデオロギー」に依存せざるをえないというのが
中国政府および中国社会の現状であろう。

 中国が「反日イデオロギー」に傾斜すればするほど、中国社会は
さらなるカオスへ向かう危険をはらんでいる。

 天安門事件や紅衛兵運動にとどまらない。

 旧ソビエト連邦が崩壊したように、中国が崩壊する可能性がない
とは言い切れない。

 一人の人間であれば、自分に甘く、他人に厳しい人間は、孤立し
て自滅への道を歩む。

 それと同様に、一つの国であれば、自国に甘く、他国に厳しい国
は、次第に周辺諸国および世界から孤立し、いずれ自壊への道を歩
むことになろう。

 私自身は、中国という国がそのような自壊への道を選択しないこ
とを願っている。

 というのも中国は、好きか嫌いかという枠を越えて、日本と深い
歴史的つながりがあるからだ。

 中国が崩壊すれば、わが日本にも政治、経済、社会全般に及ぶ計
り知れない影響がある。旧ソビエト連邦の崩壊とは比較にならない。

 くりかえしになるが、中国が国家統治の求心力を「反日イデオロ
ギー」に依存し、「反日イデオロギー」に政治・社会が傾斜すれば
するほど、中国はさらなるカオスへと向かう。そして中国の政治・
経済・社会のあらゆる矛盾が一挙に表面化し、さらけ出され、その
先には崩壊と再建のはてしない試練が待っている。

 もちろん、日本がこのままでよいというわけではない。第二次大
戦後ないがしろにしてきた領土問題の解決策を探り、自国の立場を
明確にして国際交渉に臨むという姿勢を、まず確立しなくてはいけ
ない。

 これまでのように、日本政府が中途半端な態度を取り続けていて
は、隣国の中国・韓国・ロシア・台湾・北朝鮮も対応に苦慮する。

 日本政府のあいまいで中途半端な姿勢は、隣国をいたずらに刺激
するばかりだ。

 「反日イデオロギー」に対処するには、まずもってわが日本は、
領土問題をはじめ自国の立場を明確にし、隣国はもとより、世界に
向かって広く念入りに語りつづけなくてはいけない。

 日本政府が公式に、隣国および世界に向けて明白なメッセージを
発信することを、切に望む。

 ただし、反中国・反韓・反朝鮮に固執すれば、日本自体が孤立へ
の道を歩まざるをえなくなるだろう。

 「反……」なるイデオロギーは心の深層で自虐・自暴自棄につな
がり、発せられた批判・非難はいずれ「反……」なるイデオロギー
を発した彼もしくは彼女の身に一斉に降りかかることになる。

 なお私自身は、中国政府および中国社会が「反日イデオロギー」
に依存するかぎり、中国の新たな発展はむずかしいと考えている。

 「漢民族思想」でもない「反日イデオロギー」でもない、国家統
治の礎(いしずえ)もしくは求心力を中国政府および中国社会が見
出すことができるかどうかが、かぎとなろう。

 数千年の歴史を振り返ると、中国は万世一系の統治体制をことご
とく否定してきた。下剋上は当たり前の社会であり、少しでも注意
を怠れば、たちどころにカオスの道へ足を踏み入れかねない。

 民族・思想・宗教の多様性を許容できないでいる統治体制、歯止
めなき市場原理導入と貧富の差が拡大する社会、一国二制度という
つじつまあわせに苦慮する政府および国民。――いまや中国社会は
過去に例のない未知の世界に入り込んだといえよう。

 であればなおさら、中国の人々が慎重かつ冷静に行動することが
望まれる。

 と同時に、われわれ日本人も、慎重かつ冷静に行動しなくてはな
らない。
| 日常雑記 | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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