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金子みすゞの虚無は絶望ではない。金子みすゞを擁護する。
 けさは6時過ぎランニング開始。

 連続ランニング503日目。(2010年3月7日から数えて)

 以前日記で触れたが、比叡山の千日回峰行のような荒行に比べた
ら、ぼくの毎朝のランニングなどたわいのないものかもしれない。

 とはいえ、継続することに意義がある。日々走り続けるのみだ。

 さて、けさは豊岡通経由で瑞穂公園へ行った。

 学校が夏休みに入って、朝のトレーニングだろうか。途中で中学
生(たぶん)の一団が次々に走ってくるのに出くわした。

 たどり着いた瑞穂公園で日比野寛先生像に挨拶して、野球場へ向
かう。この野球場ではいま高校野球の愛知県大会が行われている。
野球場前の広場で子供たちが朝のラジオ体操をしていた。こういう
子供たちの風景に出合うと、本当に夏休みが来たと思う。

 両足の調子がかなり回復してきたことを感じつつ、帰途に着いた。

 この調子で、暑い夏を乗り切りたいものだ。

   *   *   *

 先々週、7月4日の中日新聞・夕刊に尾形明子さんの評論「金子
みすゞの虚無」が掲載されていた。

 中日新聞の文化欄は大体ざっと目を通すようにしているが、久し
ぶりに興味深く読ませていただいた。

 金子みすゞの詩をいくつか引用し、金子みすゞのいわば不幸な生
い立ちに触れながら、いまや有名になった金子みすゞの詩に含まれ
る「底知れない怖さと虚無」について、くりかえし説明がなされて
いる。

 金子みすゞの生涯は、彼女と同郷の河久子さんの心血注いだ遺
作『北浦のおなご みすゞ哀歌』(作品社、2005年発行)にく
わしい。

 この本『北浦のおなご みすゞ哀歌』を読みはじめたとき、あた
かも金子みすゞ自身が語りかけているかのようで、ひどく衝撃を受
けて、ひとまず本を閉じた。それから再び本を開いて読みすすむの
に、長期間の猶予が必要だったのを覚えている。

 そのとき受けた衝撃を思い起こしながら、尾形明子さんの「金子
みすゞの虚無」を読みすすんだ。

 読み終えて、尾形明子さんはここでは文芸評論家として振舞って
いて、金子みすゞのような詩人でも、詩を味わい楽しむ読者でもな
いような気がした。

 こう書くと少々言いすぎかも知れないが、ぼくには、尾形さんが
金子みすゞに寄り添いつつ、未来を垣間見るのでなく、一人の傍観
者のように思えたものだ。

 詩人にとって「虚無」は必ずしも怖いものではない。よくある題
材の一つといってよい。

 同様に、詩の読者にとっても「虚無」は必ずしも怖いものではな
い。たとえば、こういう虚無的な詩もあるんだ、という感覚で読者
に迎えられるかもしれない。

 ぼくにとって金子みすゞの「虚無」は絶望でなく、希望への入り
口のような気がしている。絶望は虚無よりもっともっと底が深く、
ざらついていて、生々しいものだ。

 ぼくは金子みすゞが「国民的詩人」だと思ったことは一度もない
が、「国民的詩人」と名づけたい人がいれば、それはそれでいいと
思う。それを拒否する理由はぼくにはない。

 詩の作者と詩の読者(鑑賞者)は、まったく別人である。

 金子みすゞの詩をどのように受け取り、どのように感じるかは、
その読者の自由であり、読者の裁量にまかされている。

 その一方で、金子みすゞの詩をどのように受け取り、どのように
感じるかは、読者のおかれた立場・状況に左右されるだろう。

 金子みすゞの「見えない闇、影の部分」について、上述の『北浦
のおなご みすゞ哀歌』の末尾「解説」で、青木健さんが触れてい
る(同書、169頁参照)。

 尾形明子さんのいう「底知れない怖さと虚無」と、青木健さんが
指摘している「見えない闇、影の部分」は、おそらくつながってい
ると思われる。

 そして、ぼくは、その怖さ・虚無・闇・影の向こうに希望の光が
さしていると考える。

 残念なことに、金子みすゞは、愛児を残して二十六歳で自ら命を
絶ったが、彼女はそこに絶望だけを見ていたのでないと思う。何ら
かの希望へと、いのちをつないだのだと思いたい。

 『北浦のおなご みすゞ哀歌』の「後記」のなかの著者、河
久子さんの文章を引用させていただく。

 「みすゞの詩は森羅万象におよび、どの詩にも、ものの命の尊さ
や哀れ、はかなさが深く強く込められていることは、わたしの人生
の目標である命の尊さとの共感、まさに魂をゆさぶられる思いがし
た。」(同書、156頁参照)

 金子みすゞの虚無は絶望ではない。希望への入り口である。

 これまであまり考えたことがなかったが、ぼくは、金子みすゞの
虚無を擁護する。金子みすゞの詩を擁護する。


関連リンク

河久子著『北浦のおなご みすゞ哀歌』作品社、2005年
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